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フライフィッシングって難しい釣り?(5) [フライフィッシング]

そろそろまとめに入りたいとは思っているのだが・・・

 要するに渓魚達は「餌らしき物」が自らの捕食ゾーンを通過する際、
後で後悔するよりもとりあえず喰らいついてしまうのだ。
生き残る、ために。
そして口の中で餌ではないと判断したものだけを吐き出す。
しかしその判断は結構怪しいようで、
本来の餌では無いものも胃に送り込んでしまうのだ。
吐き出したのがもしも本当の餌だったら悔しいし・・・
って感じなんだろうな。
実際、我々は釣った魚の胃内容物を時々確かめるが、
そのなかに木の実の類が混じっている事も珍しくない。

だからこんな捕食行動を繰り返す渓魚を釣る場合、
とりあえず魚に、喰らいつく動作を期待するだけでも良いのだから、
「餌らしき物」である擬似餌=毛鉤で十分なのである。
勿論本物の餌を使えばより理想に近づくが、
それを採取するのは結構大変だ。

渓魚の餌となる水棲昆虫を採るには、
川底にある石裏を探らねばならない。
しかし相手も易々と捕まる訳ではなく、
また非常に冷たい水中を何度も探るのは結構辛い。
殆どの場合本物の餌は魚を一匹釣る度に、
無くなってしまったり形が崩れたりするし、
また釣れなくても餌だけ取られてしまう事が多い。
要するに、釣りたい魚の数以上の餌を適宜集めなくてはならないのだ。
本物ゆえ生きの良さが身上なだけに。
その上季節によっては身を切られるような冷たい流れを
都度我慢する必要に迫られる場合もある。

それに対し毛鉤はそういった現場での煩雑さがほぼ必要ない。
適切に造作された毛鉤を上手に使いこなせば、
驚くほど「餌」に対する手間が省けるのだ。
たとえ結構ラフに一日中釣りをしても、
二桁に達する毛鉤の消費なんて稀だろうし、
ちょっと気を使ってやれば数個で済む日も珍しくない。
それもこの「餌」は予め用意し蓄えておけるため、
限られた現場での時間を釣りそのものに傾倒できる。
そう、冷たい水を我慢しながら餌を探す時間など必要ないのだ。
現に最近の自分なんぞ朝イチに結んだ毛鉤が、
釣りの終了時までそのまんまなんてのもよくある事だしね。

整理してみよう。
ある特殊な条件に狂わされた魚に対しては、
明らかに毛鉤が優位となる場合も稀ながら確かに有る。
だが、純粋に(擬似)餌を投じた数とそれで釣れた割合を比較すれば、
殆どの場合に於いて疑似餌より本物の餌が有利だろう。
当然だ。
しかしどうだろう、ある一定の時間内に効率よく獲物を捕らえるには、
どちらの餌を選択するのが賢いのか。
単純な比較では明らかに効率が悪いと思えても、
トータルで判断すれば自ずと毛鉤釣りを選ぶのではなかろうか。

プロであるマタギにとって毛鉤で十分なら十分なのだし。

ふう~、やっと何故マタギが毛鉤釣りを選んだか、まできた。
しかし未だに我が国で毛鉤釣りが発祥した頃の話に過ぎない。
毛鉤釣りを確立させた近代職漁師についてや、
更に、現在の渓流釣り事情を踏まえつつ、
核心である「フライフィッシングってそんなに難しくないよ」、
について展開していこう。


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