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モーターサイクリスト2 [モンキー(Z50J)]

古き良き・・・良きかどうかは分からないが、夢は有ったように思う時代だ。
気化器→燃料噴射、電極接点→半導体、電球→LED、等々。
確かに手間は格段に省かれたが、素人が苦労した単純さはその代償で消え去ったのか。
「メインジェットを〇番にしたら加速が」と聞き、逆に悩みが増えただけだったり、点火時期を弄り過ぎてネジ穴をダメにしたり・・・
結局は何もしない方が良かった訳だけど、夢だけは溢れるほど有った。

最高速.jpg


さらっと書いてあるが、あくまでメーカーの主要緒元からである。全長や全高と同列で最高速度(推定)も記載されていた。この例であるモンキー等の原付では低めに、逆にナナハンなんかの場合は「スゲー!」めに発表していたように思う。そう、メーカーが推定と言う”夢"を与えてくれた時代だ。
ナナハンの200km/hはそう簡単に体験できる訳もなく、しかし原付の50km/hは少年でも県道で実現できた。が、その後が大変、鼻息荒く「俺のなんか52km/h出たぞ」「いや俺のは54km/hだ」、「おまえ下り坂でやったろ」「ばかやろー〇〇の交差点先からだぞ」・・・最後は唾を飛ばし叫びあう、カシコイ少年達であった。
だから夢が・・・夢?

話題.jpg


雑誌のコラムも負けずに夢を与えてくれた。
ムスタングマッハ1は最高速度300km/h!しかもポリスマンが言ったこと!この小さな記事でも少年達には衝撃だった。
「すげーなアメ車って」「おう、ナナハンでも勝てねーわ」と。あくまで少年達の尺度はまだバイクのみだったのであるが、何でパトカーが300km/hも出る必要が有ったのかについては疑問の余地も無かった。
だけど経済速度が160km/hなんて、むしろこっちの方が驚異的なのに、地味な数値は意識的に無視・・・よく分からなかっただけ ^^;

ああ、この頃だったな~R122の真ん中に有る空き地の謎が分かったのは。

愛車.jpg


これ、内容がどうのこうのではない。安全の為?モザイクをかけたが、今からすれば驚くべきは実名・実住所モロ晒しだ。
まあ、驚くも何も当たり前の時代だったが、逆にこれが良い方に作用する場合も多かった。直接本人にお便り(DMなんて語はまだ無い)したのがきっかけでツーリング仲間になったりとか、『プロポーズ大作戦』にまで発展したりとか・・・後者は分かんないよね ^^;
とにかく、「社員乙」とか「絶対ステマ」とか、そんな猜疑心の成立する可能性さえ無かった。
ただ、現在のブログ等と違い何でも好き勝手は書けなかった。一応編集者のフィルターを通るから、それなりに良識ある物しか載らなかったので、投稿する方も結構まじめだったと思う。
そうは言ってもたまにヘンなのも有ったが、今みたく”炎上”とかは無かったな~
ここに載ったりすると地元じゃヒーローだったから、プロの真似してガラにもない投稿をしたが・・・採用されなかった ^^;

漫画.jpg


これも例によって実名晒し、その他のコーナーも同様だけど。
だいたいこの手の漫画は風刺方向に走ったり、時代の世相を反映する場合が多い。
そしてまた当時を思い出すのであった。この前年に起こったオイルショックや、強いアメリカの象徴であったアポロ計画の事なんかを。
しかしなぜ石油が危機になると、トイレットペーパーが買い占められるの?原油価格と直接関係のないのに。とか。
また、トレぺをパニックのように買い漁る姿が、連日TVを賑わしていたけど、「個人が買える数なんてたかが知れているだろ?」とか「とりあえず新聞紙を手もみして使えよな」とか。
結構冷静な少年達だったのである。
でも走り回りに直結するガソリン代には冷静で居られ無かった。「[野球]スタンドが〇円安い」と聞けばすっ飛んで行くし「[サッカー]石油の方が△円安かった」と聞けば争うようにぶっ飛んで行ったのである。
弄り過ぎたキャブをだましだまし、生ガス臭い排気をまき散らし・・・
そんな時1人の少年が「何やってんの?」、我に返る無言の少年達であった。

極端だけど80円/lが次の日100円/lみたいな感じであったから、あちこちで笑い話に事欠かなかった恐ろしい時代でもあった。

しかしほろ苦くも楽しかったあの頃を、限りなく湧き出させる旧いモーターサイクリストである。だからタイトルに"2"を付け加えたが、更にそのモノトーン広告を眺めるにつけ、まだまだ止め処なく流れる涙 ^^;



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