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ブレーキ引き摺りの原因 [CBR1000F(SC21)]

流石にリッターは重いな~でも、引き回しの抵抗は単なる車重だけの問題じゃないぞ。

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いわゆるブレーキの引き摺りだと思うので、センタースタンドでバイクを直立させて、更にフロントを上げるために何時もの鋼製束を使おう。
CBR1000Fの場合はダイヤモンドフレームなので、下から車重を受けるのはオイルパンになる。
大丈夫だと思うけど、、、一応コンパネを丸く切って木ネジで留めておいた。

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力が要るキャリパーボルトはあらかじめ緩めておき、様子をうかがいながらジャッキアップをして行く。
フロントが10mm位浮いたところで車体を揺するが、オイルパンも大丈夫そうだ。

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キャリパーが無いとFホイールは綺麗に回る。
まず右ブレーキローターの残厚を測るが、限度の3.5mmに対し3.95mmと十分残っている。

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と、ここで突然の雷雨。もう嵐と言っても過言でなく、雷を伴った激しい風雨だ。
最近のゲリラ豪雨は夕立なんて可愛いものでは無い、半屋外のガレージ内は洪水状態なのだ。
堪らず屋内退避。

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ではちょっと、ディスクブレーキの引き摺りについてなんか。

7.ピストンはブレーキフルードに押されて飛び出るが、じゃあ、引っ込む時はどのような力が働くのだろう。
それは主に19.ピストンシールの弾性だ。
ピストンが押されてシールをスライドするのは勿論だけど、それにはシールの変形が必ず伴う。
変形したシールはその弾性により、ピストンを引き戻すのだ。
だから適度な抵抗が無い、軽すぎるスライドであったら、シールもあまり変形しなし、よって戻る力も弱くなる。
よく言われるいわゆる「ピストンの揉み出し」は、戻る力も弱まるから、程々にしておかなければならない。
そう、シリコングリスなんか使ってのやり過ぎは、かえって引き摺りを誘発するだけだ。
ここまではピストンが戻るメカニズムについて。

次に、シールの弾性により戻ろうとする力を阻害する要素を。
これはやや複雑だけれど、これらを解決しなければピストンがスムーズに戻らない。
ブレーキが引き摺るのだ。

9.ダストシール これはピストンシール同様、弾性による変形と引き戻しも期待できるが、ピストンシールに比べてかなり弱い場合が多い。
それよりフルードの微量な漏れの結晶や、それこそ色々なダストの影響で、ピストンの動きを阻害していることが多い。自分の経験から。

21.ハンガーピン 8.スプリングパッド これは一目瞭然だね。機械的に擦れながら動く箇所だから。

要するに、9.21.8.については念入りに清掃し、21.8.はやるとしても、仕上げにごくごく薄くグリスを塗布すればOKだ。9.については清掃だけで十分、下手なシリコングリス使用は前述の通りだ。

メーカーのサービスマニュアルにおいて、ピストン・ダストシールの組立の際に、フルードを塗布する以外、シリコングリス塗布なんか見た事無いし。
自分も「揉み出し作業」は無意識に言ってしまうが、作業内容は念入りな清掃とピストンの作動状況確認になるのだ。

ああ、それにしても激しい雨が止まない。今日はもうダメだな・・・

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翌日はまたまた午後から雷雨の予報なので、午前中にオーバーホールを終わらせたい。
まずはフロントのキャリパーをバラし、ピストンを目一杯飛びださせた。
いや良いじゃないか、これほどの状態は自分的に珍しいくらいだ。
各部の念入りな清掃と、ブッシュピン等にグリスを塗布・充填しておいた。

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このバイクの左フォークには、懐かしや~のアンチダイブなんか付いている。
これなんかまだ可愛い方で、アンチなんたらてんこ盛りフォークが、かつて全盛だったな。
ブレーキをかけるとアームが矢印方向に動き、内部のバルブを作動させて、フォークの沈み込みを制御するわけ。

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左側のブレーキローター残厚もOKだ。

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ついでにリアもオーバーホール。
「揉み出し」して残厚を測定し、全て滞りなく終了した。
そして前後輪共着地させ、バイクを押し引きしてみる。
おお、比べ物にならないくらいスムーズな動き、明日は少し走らせようかな。

でも午前中に帰って来よう、最近のゲリラ豪雨は尋常じゃないからね。

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