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トルクレンチ [バイク・クルマ]

この前、W3のシリンダーヘッドカバーを増し締めしていた時、そう言えば最近トルクレンチを使わなくなったなーと感じた。
若かりし頃仲間が集うと、日産のL型を良く弄っていた。トルクレンチを使うだけで、通を気取り悦に入ったりして。
あっ、L型と言っても4気筒の方だよ、だってお金無かったしね。
それとトルクレンチって言っても、プレート式のやつだけど今は有るのかな。

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まだ有った^^;    なにこれ?って言われるかもなので、注釈を入れておいた。
でもこれを使うのは結構大変だった記憶がある。特に高トルクになると、う~んと唸り・締めながら表示値を読むのだけど、だんだん疲れてきて腕がプルプルする。そうするとプレートに刻印された数値を指す矢印も、当然震えるので余計読み辛い。その悪循環でさらに時間がかかる始末だった。
だけどコイツ関係だけでも、今となっては楽しい思い出が湧き出てきて、きりが無くなりそうだ。ロータリーエンジンのフライホイールナットの事とかね。
まあ、今でも使う人は居るみたいけど、やっぱり「カックン」式(プレセット式と言って!)のが楽なのは間違いない。ビンボー学生の昔は、プロの使うカッ君?に憧れた・・・物凄く高かったよ、やっぱし。

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そう言えば大分前に買ったはず、と探して出てきたのがこれ。何時頃のだったか思い出せないけど、少なくても十数年以上は経っている。兎に角、L型エンジンに夢中だった(大?)昔の記憶からすれば、とんでもなく安かった台湾製だ。まだ中華が台頭する前の時代だけど、今や当たり前のN(ニュートン)表示だけでなく、裏側には嬉しいKGが刻まれている。まあ、とりあえず表示されたN値を、十分の一にすれば良いのだけど・・・
やっぱり「きろぐらむ」でしょ!

女子の会話で「頑張って20N痩せたよ」、「えー!マジ?ウチなんか最近食べすぎで、50Nも太っちゃったのにぃ」こんなの聞いた事ない。
車のドア付近に貼ってある「タイヤの空気圧」ステッカー、何時の間にkpa(kg/㎠)なのよ!何でKGが(カッコ)に入れられちゃったのさ。
ニュートンとかパスカルとかたまに訳分かんなくなるし、
体重から直感できるKGが一番分かり易くね?

あーだ!こーだ!プンプン[むかっ(怒り)]                 もうやめた^^;

でもちょっと言わせてね、ポンドとかオンスとかガロンとかインチとかマイルとか、
Why American people!?


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コイツの凄い所、って言うか怪しさ満点だったこのcertificateシール。一本一本にシリアルナンバーと校正証明書だもん、かえって値段からして本当?と、いぶかる当時だった。だからあまり使わなかったし、やっぱり経験に裏付けされた自分の感覚が一番頼りになった。
えっ ホント?自分・・・こっちの方が怪しい^^;

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半分忘れかけていたトルクレンチ出てきたから、これは実際どこまで信じて良いの?で実験してみた。
身の回りにあるキッチンスケールとか体重計、寒暖計やはたまた血圧計・体温計等々、特に疑いなく何時も使っているよね。でも、これらは本当に信じて良いの、正確に言うと絶対値なの?
時計なんか最近は電波式がごく当たり前だし、テレビやラジオ等と幾らでも比較できるから疑わないが、その他のは正に「信じる者は救われる」だ。
誤解を恐れず言えば相対値を見ているだけだ。だから時々耳にする「ジムの体重計キライ!」、えーっとそれはね、自分ちの体重計が低めに出ているだけなの。

まあ、だから誤差範囲ってのが有る訳だけど、家庭用のは特に表示されていないのも多い。でもそんな事あまり気にしないもんね。家庭用とかホビー用とか書いてあれば、こんなもんだよって納得させる雰囲気もあるし。逆に言えばだから安く提供できるんだけど、業務用の場合そうはいかないから高い。例えば日本工業規格・JIS、モノによって色んな基準が有るけど、それに準拠させるのにコストがかかる。
更にそれの校正証明(基準以内だよ、ウソ言ってないよ)を発行してもらうと大変。トレーサビリティやらなんやらの書類が沢山添付されるが、モノ本体より高くつく場合もある。
それでこのトルクレンチ、なんとcalibration certificate(校正証明書)付いている。だけど、いかにもそれっぽくした紙一枚が、逆に怪しさ満点なんだ。←疑り深いヤツ

自分のトルクレンチの絶対値を量ろうなんて思わないし、量れる訳もないからあくまで「うん、こんなもんか」を、確かめたいだけである。で、こんな風にして量ってみた。レンチ握り部にダンボールを巻く、単管パイプに差し込む、バケツを吊るして水を入れる。完ぺきじゃないか!
だけど改めて画像見ると、何だかボンビー臭い絵だなぁ・・・

ただレンチに表示されているのが、kgf・mにしろN・mにしろ、ボルトから力点までを1mで実験するのが一番分かり易い。それに、力点までが短い0.2m程度のレンチで、直接量るのでは正確性が期待できない。
えっ、じゃあ水平性は?その赤い線は何?
だって吊るしたバケツが地面に・・・多少は良いのだ^^;

えー断っておくが、この後一切Nは使わない。全てKGである、オジサンとしては。
未だにNが嫌い(良く分かって無い)なんだなー、そう思ってもらっても結構だ!


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水は1ml(1cc)=1g、だから500mlづつこんな容器で量ったが、時々体重計でも確かめてみた。素晴らしいじゃないか、1回500gx12=6000g(6kg)だ。表示でもちゃんと6.0kgと出ている!
普通12杯も水を入れれば、累積誤差でなかなかこうならないが・・・誤差が出ないよう何回もやったよ。

トルクレンチ.gif


実測値1.gif


えー折れ線グラフなんかにしてみた。ちなみに実測データなんかも表にしたりして。こういった実験は、回数を重ねるごとに誤差が少なくなってくる。要するに平均化してくるんだね。
だから結構頑張ったのだ!だからグラフなんかにしてみたのだ!
って、単なる自己満足だけど。

トルクレンチをセットしたのが青線で、バケツに水を入れてレンチが「カックン」となった瞬間が赤線だ。それを6段階でやった訳だ。要するに試験荷重(test load)を、軽~重まで6種類変えてみた。

結論から言ってしまおう。
疑ってゴメン。

何が素晴らしいって?グラフを見て頂きたい、赤折れ線「バケツに入れた水」、その直線性である。
何度も言うようだけど、これ、あくまでも安物(ちょっと表現悪しだが)だ。
あまり使っていないのもあるけどね、10年以上前の製品でこの結果だもん。勿論、当たり前の保管方法はしているけど。

ネットで見かけたのを引用させてもらうと。
”アナログセンサにとっては直線性のみが重要であってそれ以外はさして重要ではない"
これの「アナログセンサ」部分を「アナログトルクレンチ」に置き換えると分かり易い。
ここの回答(3)だ。

誤解が無いように言っておきたいが、あくまでも直線性だけを賛辞しているのであって、メーカー添付の校正証明書の試験荷重→実測値(test load→actual reading)は全く気にしていない。

えー分かり易く言えば「この体重計、誰が乗っても〇〇kg多く(少なく)出るみたい」、これだ!
載せた表のデータで言えば、"差”の項がその原因に相当する。要するにバケツに水を入れてない状態でも、レンチ+単管パイプ+バケツ、それらの自重がトルクとして既に作用しているのだ。
これ以上書いてもくどいだけだから、もう止めておこう(十分くどい!)。

一つだけ付け加え。
今更だけど、製品に添付した紙切れが、校正証明書(calibration certificate)なんて表現は馴染まないなぁ。ただの社内検査書でしょ^^;

あっ、トルクレンチで思い出したけど、最近よく見かけるな、"黄帽子"とかで。
「お客様、ホイールナットの締付け確認をお願いします」とか言って、客の目の前で勢いよく[カックン]している若いスタッフを。
おいおい君、そこジワジワだから・・・ワタシャ頼んだこと無いから良いけど。

だけど自分は本当にトルクレンチを、正確に使う自信が有るか?そう自問自答してみれば、正直、う~~ん、かも。
今回改めて思ったのが、バケツに水を入れる際は出来るだけゆっくりやる事、じゃないと正確に量れない。ましてや実際の作業では、遥かに短いレンチで行うのだから。
そんな意味では現在主流のプレセット式より、プレート式の方がコントロールし易いかも。プレート式に根強いファンが居るのも、「分かっている」人達には手放せないんだろうね。

手持ちのトルクレンチが結構使えるヤツって分かったけど、多分今後も目安程度にしか使わないだろうな。
相変わらず最後は、自分の感覚を頼ると思う。

トルクレンチはあやふやな人間の感覚を、数値化させる数ある道具の一つである。
だけど作ったのは、そのあやふやな人間だ。だから・・・

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