SSブログ

復活へ(6) [脳出血から2年]

二年ぶりに社会復帰しましたが、思ったより普通に出来たのは自分でも意外です。
引き継ぎも兼ねたオリエンテーション的な二日間は、この歳にして理系から文系に変わった感じです。

この先も身体の事を思うと、無理なく出来そうで少し安心しました。

****************************************

自分にとっては初めての経験、それも予想すらできなかった出来事の連続だった。
しかし一応落ち着きを取り戻し、新たな日常の始まりである。

医療センターとしては基本的に最後の診察であると告げられたのと、質問した返答の「分かりません」の意味などを暫く考えていた。
普通、これで最後の診察とは完治したか、もう手の施しが無いかのどちらかだろう。
あっ、もう一つあるか。とりあえず医療センターの専門医の手を離れ、後はかかりつけ医に委ねると言う事かな。うん、こっちが自然だ。なんて変な結論をだす。
もう一つの「分かりません」については、そう答えるしかないからだろうけど・・・でも。
堂々巡りになるばかりなので、とりあえず先送りして凌いだ。
それで今度は次を考える。自身の現状は、を。

右半身が受けた影響は全てに等しくでは無かった。上肢下肢共に末端へ行くほど痺れ、と言うか感覚の薄まりが顕著になる。特に足先からは、踏み出しても地に足が付いた感じが殆ど伝わって来なく、それまでどうやって歩いていたのかが不思議になった。
右側の足元を見ながら、つま先の出具合を確認しつつ、何も影響がない左足に合わせてみた。
頭の感覚が鮮明さを取り戻してくるほど、逆に希薄になる足の感覚だったが、意識して歩けば歩ける様だ。

だけどこの希薄な感覚と言うのを、どうやって人に説明するかはなかなか難しい。
最近はそこそこ上手く伝えられているのかな・程度だから、まだ自分でさえ戸惑っている最中の当時は苦慮していた。
慣れない人が正座をしばらく続け、いきなり立ち上がるとふらつくと思う。
その一番の原因は足が痺れているからだけど、これは多くの人に自らの体験で理解してもらえた。
更に、もう少し違った感覚になってきた状態を、別な角度で指先の出血が止まらない場合を例に出していた。

出血を止めるには、指の付け根をゴムで縛り、応急処置を施すと思う。
そうすると出血は収まって来るけど、痛みが指全体に鈍く散らばり、それに連れて指の感覚も薄らぐ。
その時に指に異なる刺激を加えられても、何だか他人事みたいな不思議を覚えないだろうか。
こんな感じで説明していたが、この辺りから中々賛同が得られなかった。

何度も説明を試みるが、どうしてもニュアンスまでは無理なのに、分かっていながらでも繰り返していたのは、自分で自分の状態を探っていたからだと思う。

こんな事を日々繰り返していると、今度は思いがけず出来る事が有るのも分かった。
バイクに乗れるし、歩くよりも楽だと言う事。
それも、歩くよりバイクに乗る方が、安全であると気付いた。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。