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燃料コック修理 [CBR1000F(SC21)]

先日、カムチェーンテンショナーの修復が済み、試運転をしていたら何だかガソリン臭がする。
おかしいな~ふと地面を見る・・・真新しい漏れ跡ぢゃないか!

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確かにタンクを外した。
その際、燃料コックに対し、全くストレス無くチューブを抜いたとは言わない。
しかし自分だってそこそこ旧車に接しているから、それなりの労りを持って作業している。
1987年から34年も経っているのだから、何かの拍子で漏れ始めても不思議ではないよね。

応急処置を目論んでカシメ部をプライヤーで挟んでみたが、そんな事で改善するワケが無い。
来るべきが来た、走行中に来るよりは余程ラッキーだ。

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とりあえず燃料コックを単品にしてみる。
当時の旗艦らしくしっかりとした作りだ。が、何故カシメ止めにする?

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バイクは小型より大型の方が、一般的に丁寧な扱われ方が多いと思う。
それにしても・・・
このバイクは何処かをバラす度に、外の見た目から想像できない程の唸る綺麗さだ。
タンクも錆はおろかゴミだってこの程度だし、フィルタースクリーンも問題なし。
だからなお更カシメ止めが恨めしい。

あー、分解してみたいぞ!

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コイツは逆車だから、基本的に国内ではパーツの入手がほぼ不可だ。
それも有るし、ホンダは古いモデルのパーツ供給が貧弱、かつては潤沢にストックしてあったのに。
カシメ止めと言う事はダメになったらAssy交換しろ!だが、有難きネットで探しても中々見つからないのだ。
探して探して・・・有った!
しかしモノだけで100ユーロだよ、しかも高らかにMade in Japanを謳って。
日本のバイクに日本のパーツ、何故更にDHLの手を煩わせる?
分かっていても反骨精神がフツフツなのだ。どうにかしてやる。

これはSC21専用パーツだし、スペース的にもチューブの取り回し的にもかなりタイトな設計だ。
それ故しっくりする汎用や代替が見つからない。

だから現品を修復するしか無いが、そのためにはまずカシメ止めの分離だ。
しかし後を考えずにバラす事は出来ない。
これしか無い貴重品、復旧できなかったらアウトだし、出来れば気軽に分解出来るようにしたいよね。
それで燃料コックをあちこち観察したら・・・

M3のタップ、切れるよね、ここ。

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タップを切るぞと腹が決まったら速攻で分解だけど、とりあえず自分的方法を2つ用意してみた。

1つ目はカシメをドリルで揉んでやる。
これは比較的簡単に後の見栄えを良く出来るが、ドリル刃先端の尖がり跡が残るのでやや気に入らない。
有効タップ長を多少なりとも犠牲にするし。

2つ目はカシメをサンダーで削り飛ばす。
慎重にやっても、コックの表カバーに多少の削り跡が入るだろう。
しかしコック本体には樹脂製のコックハンドルが付くので、カバーは見えなくなるのだ。

なので今回は2に決めた。

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切り替え弁を板バネで押さえつける、ごく普通の構造に見える。

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小排気量バイクでは上記だけで機能させるが、これだけ大きな切り替え弁の漏洩を防ぐには、かなり大きく強い板バネが必要になる。
そうするとスムーズな操作力が期待できなくなるし、板バネが摺り動く箇所の摩耗が問題になるかも知れない。

やっぱり簡単には済まさないよね、切り替え弁の外周もシールをしていた。

それはそうとして、漏れの原因はなんだろう?
確かに細かな異物が入っていたが、各シールに致命的な損傷は見受けられない。
ゴミとシールの経年劣化と板バネのヘタリが、複合的に絡んでいるような感じだ。
まあ、次から簡単にバラせるから気が楽だね。
ボルト(ビス)締結方式にするから・・・成功すれば、だけど。

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そのシールも凝っている、単なるOリングでは無かった。
まるでシールチェーンのXリングだ。

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こんな特殊シールなんて入手できないだろうから、とりあえずシール溝の寸法を測っておく。
溝の内径:Φ31.8mm
溝の幅:2mm

このデータで汎用のOリングを見つけたから、もしまた漏れ出しても対策は簡単に色々と試せる。
さっ、上手くタップ立てようっと[あせあせ(飛び散る汗)]

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一番最初が肝心、Φ1.5ドリルで真っすぐ下穴を貫通させる。

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下穴が綺麗に抜けたら、もう7~8割出来たも同然だ。
次にM3並目ネジの下穴である、Φ2.5mmドリルで穴開け。

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Myドリル&タップ箱から出てきたのが、M3x0.5mmの先タップとスパイラルタップ。
なにせネジ切り長が17mmも有るので、「先」で行けるところまで行き、スパイラルで開通!作戦だ。

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アルミダイキャストだから切り易いとは言え、M3タップは簡単に折れるから慎重に。
特に深さ10mmを超えると切削粉が出難くなるから、少しでも違和感を認めたらバックして清掃だ。

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やはり先タップでは切りきらないので、スパイラルタップで貫通させた。
M3の有効ネジ長はこんなに必要ないけれど、可能なら貫通させておいた方が良いのだ。

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出来たぞ。試しにM3の25mmビスを入れてみる。
使うのは15mmだけど、最後までちゃんとネジが切れているかを確認。

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切り粉や異物をエアでガンガン飛ばし、綺麗に出来たら組み立てよう。
回転ヶ所は薄くグリスを塗り、板バネも曲げを強めに戻しておく。

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完成した。
これでこの先なんらかの問題が出ても、簡単に蓋を開けて対処可能になったのだ。
タンクに戻しガソリンを満タンにするが、何度操作してもビタッと漏れが止まった。
コックの手応えもやや強くなり、板バネの曲げ直しも効いたと感じる。

あー良かった。ホッ
だって失敗したら暫くCBRは動かせないし、高額の逆輸入代が・・・
それより何より、Made in Japanを地球の裏から取り寄せる理不尽がね(笑)


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ごんぞう

こんばんは、カムチェーンテンショナー調整といい
ガスコック修理といい本当にも見事な修理の腕前ですね

コロナが落ち着いたらガレージ見学に行かせて頂きます
by ごんぞう (2021-01-23 22:44) 

Nsink

おはようございます。
お褒め頂きありがとうございます。
しかし所詮アマチュアの趣味ですから(笑)

単なる雨除けガレージみたいなもんですが、何時でも遊びにいらしてくださいませ。
実は何度も周りを囲ってしまおうとも思いましたが、夏になると光源にカブトムシやクワガタが飛んでくるんですよ。
こんな貴重な自然溢れる?ガレージなので、暑いの寒いの雨・風なんて良いかな、と(笑)
あっ、藪蚊だけはどうにかしたいですね。
by Nsink (2021-01-24 11:30) 

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